沸騰空穂葛日記

マンガ・アニメ、映画、舞台などの感想を中心に(予定)。フェミニズム、教育・育児ネタなども?

差別と偏見を乗り越えるもの

そういえば、久しぶりに新聞をしっかり読んで知ったんですが。
長崎の中学生が男の子を誘拐殺害した事件。あの加害男子はアスペルガー症候群*1だったんですね。
もちろんアスペルガーと事件は、直接結びつくものではないです。でも安直な結びつけで考える人も、いっぱいいるんでしょうねぇ。
だからって、その加害男児の情報を伏せたら問題が解決するかと言ったら、そうではないんじゃないかとも思うわけです。
同じような事件が起きないためにも、事件の背景に何があったかを知るのは必要でしょうし、そもそもアスペルガーに対する偏見がそれを伏せたことで無くなるわけでもないと思うのですよ。
必要なのは問題を隠す事ではなくて、正確な情報の発信と、それを伝える機会を増やす事、受け手の側の正しく知ろうとする姿勢、理解しようと言う気持ちじゃないでしょうか。
例えば私は腐女子でオタク女ですが(笑)、私に対して「このオタクが!」って言う人がいたとして。使われた言葉も、述べられている事実も同じだけど、そこに込められているのが親愛の情か、嘲笑かで、全然意味合いは変わってくると思うのですね。*2まあ、オタクって言葉は語源がアレだったりもしますが(^^;
本来はヘテロ(異性愛)・バイ(両性愛)と同じく[ホモセクシャル]の略でしかないホモという言葉にしても。それが差別的に使われるからといってホモという言葉自体を消してしまえば良いという事ではないでしょう。
男性同性愛者のHIV感染率が高い、それだけならただの事実です。それが差別になるかどうかは、また別問題。ちゃんと性指向やHIVについての知識があれば「オカマだ、エイズだ、あっちいけ!」には、絶対にならない。
安易な言葉狩りや、善意のように思える事実の隠蔽は、かえって差別を助長させることになりはしないでしょうか。
なぁんてことを考えた理由は。お知り合いのサイトさんが「高機能自閉症がうんたら」と日記に書いたら「当事者からすれば高機能自閉症という文字を見るのも嫌だ。削除しろ」と言われたという、ちょっとした事件があったのですよ。その話を聞いて、ずっと不可解だったんですな。お知りあいさんは、最初は勘違いした使い方をしていたけれど、後でちゃんと謝って、高機能自閉症についての正確な情報も付け加えたのですね。それは差別・偏見を乗り越えるという素晴らしい出来事だ!と私は思ったんですが、その"当事者"さんは違ったらしい。で、それ以来ずっと納得いかねぇなぁ!と思ってたのでした。まあ、そういう感情の問題って、理性では片付かないのかもしれないけど。

*1:高機能自閉症と呼ばれることも。発達障害の一種です。かいつまんで説明しようとすると、却って混乱を招きかねないので、詳しく知りたい方は検索かけて正しい情報を読んで下さいませ。

*2:だからこそネットでのコミュニケーションが難しいのだ、と言う話は関係あるようでないので、今は置いといて。