Google検索：校長 自殺
間違い・過ちを放置しろとは言わないけれど、矢面に立っている人間を叩けば良いというものでもないはずだ。
大切なのは、これからどうするか、なのに。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2692592/detail
いま、いじめの問題で小、中、高校生が自ら命を絶つ事件が続発している。そうしたなかで、校長や教師など教育に携わる人間がいくら精神的に追いつめられ、苦しいからといって「自殺」によってその責任なり、問題から逃避することは許されることではない。*1
（中略）不様でもよい、精神的に追いつめられたその苦難を「乗り越える」姿、悩みながら「生きる」姿を、生徒たちに見せることこそ、彼ら教育者がやらねばならぬことであると思ったからである。
そりゃそうかもしれないが。
↓いじめについての記事にも書いたけれど、追いつめられている側に「逃げるな」というのは、何の解決にもならないんじゃないだろうか。
つーか、さぁ。そういう言論が、自殺者を増やしているんじゃないのか？
そういえば、自己責任論なんてのが、前に流行りましたね*2。国の問題も何もかもおっかぶせて「自己責任」。今度は、いじめた生徒やその親の責任も何もかも押し付けて、教育委員会や学校（校長）の責任ですか？
「生きて責任を償え」だの「いじめに負けるな。強くなれ」だの、そんなのは今まさに死を考えている人間に対して、何の意味もない言葉だと私は思います。
たとえ過失を犯していても、責任を追及されるべき立場であっても、校長先生にだって、会社の社長にだって、人間には誰しも、限界ってものがあるでしょう。生きている限りお詫びしつづける姿を見せることが、せめてもの償いだ、教育者としての責任だ、なんて思えるような、強くて前向きな思考回路を、誰もが持っているとは限らない。
もちろん謝罪は必要だ。上に立つ人間が謝らなかったり開き直ったり、ふてぶてしい事この上ないということもあるだろう。そういう場合には、マスコミや周りの人間は、責任を追及していくべきかもしれない。
でも、心の底から悔やみ、謝罪したのなら、後は、やれる限りのことをやっていただくしかないじゃないか。
責任を認めた後に、外野がすべきことは、そうないはずだ。
そりゃあ、当事者だったら、謝ってもらったって気が済みはしないってこともあるだろう。
だからこそマスコミを含めた外野は、責任追及だけに拘泥するより、客観的に、取り返しのつくこと・つかないこと、やれること・やれないことを見極めて、善後策を練り、個人の力が及ぶ限りで最大限の償いができるようにすること、謝罪と償いの機会を守ることを、意識するべきではないだろうか。
と思ってたら、上に引用した記事のトラックバック元のブログで、良いコメントを見つけました。
今、教育者が自殺してどないすんねん！ : 痛みをこらえて
Commented by 例ビッグなど at 2006-10-31 23:02
死ねば解決するという世の中にしないためには、原因究明の名の元に責任追及という名目で非難罵倒や個人攻撃が苛烈に行われる風潮を戒めるしかないでしょう。ある程度は仕方ないにせよ、事件や問題の全容を明らかにすることに対して責任者サイドに何らかのインセンティブを与えないと、「自分が死んで責任をとる」ことが有力な選択肢であり続けることになるでしょうね。
今この時期に教育者が自殺…というのは、確かに良くないでしょうが、どんな立場であれ、自殺という選択が良くないのは当たり前のことで、そんなことは死ぬ側の人間にもわかりきっているはずです。
それよりも、今すべきこと・考えるべきことは、どうやったら自殺をくいとめることができるか、「死ねば解決するという世の中にしないためには」どうしたらいいのか、だと思います。
その意味で、この「例ビッグなど」さんのコメントは具体的な提言もあって素晴らしいと思いました。
それにしても、失敗や罪を決して許さない社会って、なんて生き辛いのだろうと思います。私は、謝ったら許してほしいし*3、私は弱い人間なので、許してもらえないなら、謝る勇気すら出てこないです。失敗したら、責められるだけじゃなくて、なぜ失敗したのか、どこで間違えたのか、どうしたら同じ失敗を繰り返さないか、考える機会・改善するチャンスを与えてほしいです。罪を犯したなら、償わせてほしいです。もちろん、取り返しのつかないことが世の中にたくさんあるのもわかってます。勝手な言い分かもしれませんが、でも、だからこそ、やってしまった事・起きてしまった事に対しては、過去にとらわれるのではなく、その先にどうするかを考えるしかないんじゃないかとも思うのです。
人間って、そんなに強くないよ。
