沸騰空穂葛日記

マンガ・アニメ、映画、舞台などの感想を中心に(予定)。フェミニズム、教育・育児ネタなども?

あなたが大切だ

↓この事件について。
http://news.goo.ne.jp/topics/shakai/kodomokatei/shounen_hanzai/
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/juvenile_crime/
産経ニュース
http://www.asahi.com/national/update/1103/TKY200511020396.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051103i301.htm
まあ、特異性で話題にはなっているものの、現況では「何もわからない」ということでしょうか。
殺したいほど憎む気持ちだったら理解できるけれど、それは自分の環境から相手を排除したいってこと=他者との関係で生まれる感情であって、殺すこと自体への執着とは違うしなぁ。
彼女の場合は、自分でも服毒しているところからして、自分も他人も関係なく、毒(を盛ること)自体に意味・興味があったんですかね。
東京新聞:特報「静岡・劇物混入少女の心理」
いろいろ読んだ中で、ひとつ印象に残ったのは、この記事に出ていた「僕の中に居る彼女の存在を感じなくなりました」という言葉。
一人称が「僕or俺」な女子中高生なんか腐るほどいるんだし、ただでさえ思春期なんて他人や異性の目を意識するようになる時期で”他人に見せる自分”と”見せてない自分”のギャップに”本当の自分はドッチなの?”なんて真剣かつ深刻に悩んじゃったりするものな訳で。あんまりそこに事件との関連性は見出せないんじゃ?とも思うんですが。
上に書いた「他者との関係性が事件の発端ではない」っていうことも含めて、彼女が言う「僕」の中には激しい憎しみや怒りっていう感情はなくて、家族も自分も、全てが遠い存在になってしまってたのかなぁ、なんて想像をしました。
「父親は小遣いをくれるから好きだが、母親は好きでも嫌いでもない」とか、すっごくよそよそしい感じが。「つめをとがらせたりしていて、見た目はちょっと変わっていた」娘に対しても、あんまり母親が口を出す(関わる)ってことがなかったのかもしれないなぁ、とか。
彼女の言う「僕」には、愛情にせよ憎悪にせよ感情が自覚できなくて、自分が生きているっていう実感にも乏しかったけれども、彼女の中の「彼女」は好悪善悪の感情を多少なりとも持ってたのかも?

”凶悪な少年犯罪”が起きると、よく「人の命は大切だと、子供たちに教えよう!」なんていいますが。
私は、そんなことよりも、最低でも自分の命を大切に思えるくらいには、親や周りの大人が愛情をもって接し、育ててあげる方が、よっぽど意味があるんじゃないかと思います。自分が愛されている・大切に思われているって実感できてたら、自分の命や人生を粗末にすることもないだろうし、他人の命も尊重できるんじゃないかな、と思うんですよ。好きな人・楽しいことがいっぱいあったら、殺人なんて考えているひまはないんじゃないかとも思います。


もし彼女が、自分が逮捕されようが死んでしまおうが、家族がどうなろうが、まるっきりどうでも良くて、毒を盛って試すことでしか、生きる実感を得られなかったんだとしたら。それは、ものすごく哀しいことなんじゃないか?と思いました。(だからといって、人を害する行為を肯定する訳ではありませんが。)
いかにもありがちなオチで安直か?(苦笑)まあ、ただの興味本位な憶測でしかないんですけどね。