沸騰空穂葛日記

マンガ・アニメ、映画、舞台などの感想を中心に(予定)。フェミニズム、教育・育児ネタなども?

野口勝三氏の講演会に行ってきました@3月22日

↓こちらの講演会に行ってまいりました。
http://www.pot.co.jp/fushimi/2008/03/15/%e5%86%8d%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97%e3%83%bb%e9%87%8e%e5%8f%a3%e5%8b%9d%e4%b8%89%e6%b0%8f%e8%ac%9b%e6%bc%94/
http://www.pot.co.jp/fushimi/2008/03/24/%e9%87%8e%e5%8f%a3%e6%b0%8f%e3%81%ae%e8%ac%9b%e6%bc%94%e7%b5%82%e4%ba%86/

ん〜、難しい言葉をすっとばして、簡単に・大雑把に・お話の内容をまとめてみます(まちがってたらご指摘ください)。

前提:性のありようは多様である
  => クィア理論*1:区別することへの批判(多様なものを無理やり区切るから差別が生じる



確かに区別からはみでるものはあるが、区別がないと話せない。(区別=男,女・同,異,両性愛者など)


今ある区別を批判するだけでなく、差別や制度など何かを変えようとするなら、
その先を、つまり「どういう区別だったらいいのか」を話し合っていかなければいけない。


多様な(一人ひとり違う)だけに「これが正しい区別のあり方だ」というのは簡単には決められないが、
少数派も含めた”万人の”利益に近づくように、区別のあり方を変えていく必要がある。


世の中を変えるには、前提の部分から違う人とも議論して、ちゃんと論破しなきゃいけない。
論破した・しないは、当事者ではなく周囲がジャッジする。目の前の相手を変えることにこだわらなくていい。

下記の本に野口氏の論文「クィア理論とポスト構造主義―反形而上学の潮流として―」が載っていて、
その流れで、講演会でも、ゼロアカ道場主の東浩紀さんの話も出てきて、おお!と思ったりもしました。

クィア・ジャパン (Vol.3) 魅惑のブス

クィア・ジャパン (Vol.3) 魅惑のブス

(ちなみに表紙は有名になる前のマツコ・デラックスさんです)


で、その論文*2と講演会での話をあわせて、
私の中で整理して、もうちょっとくだけた言い回しに変換するとですね。
真理を追い求めたって、そんなものどこにもないんだから、世の中を変える力にはなりようがない。
つべこべ言わずに、より良く変えるには具体的にどうしたらいいかを、さっさと話し合おうよ。

ってことだと思います。


「区別があるのは仕方ないとして、じゃあ、本当に悪くて変えなきゃいけないことって何だろう。
 悪意・害意はもっての外で思いやりの問題だし、差別意識は変えなきゃいけないよね。
 じゃあ、そのためにはどうするの?どんな悪意や害意や差別意識があるの?……」
っていうような根本的な議論を、ちゃんと積み上げていくべきだ、ということなんじゃないかな。
私としては、その社会を変えていく手段&一つの(議論の)手がかりとして「性教育」があると思っておりまする。


しかし、講演会の後、改めて思ったのは
「じゃあどう(解決)するの?という問いかけをするのは、なかなか難しいことなんだろうなぁ」
ということでした。
配偶者の家に行って*3一緒にニュースをみた時に、連続通り魔殺人の報道が、
どれも「捜査に問題があったのではないか」という指摘(批判)だけで終わっていて、
その報道に限らず、他の教育問題でも、政治や経済の問題でも、いつも問題点の指摘だけで、
「ではその問題の原因は何か」「その問題を解決するためにはどうするのか」を提示する人や、
前向きに何かを変える方向で議論をする人っていない
ね、という話をしました。
具体的な話になると、また税金をつぎこまなきゃいけないってことになって、都合が悪い(視聴者が嫌な暗い気分になる)のかもしれないね〜、なんて話もしましたが、
それだけじゃなく、批判したらそれで自分の正しさを証明したつもりになって気が済んじゃうってのもあるんだろうなぁ。
講演会でのお話を、もう一度ものすごく乱暴に要約すると
「批判するだけでなく、本当に何かを動かしたかったら、
 リスクを背負ってでも、その先に行かなければいけない」

ということだと思うのですが、いろいろな社会問題はもちろん、小さな人間関係でも、それが当てはまると思います。
私の友達の話なんですが、職場の人間関係を変えるために、わざわざ精神力という代償を払い、リスクを背負って働きかけて、それで職場の人間関係が好転しつつあるということでした。
それを聞いて、だいたい(私も含め)人間って文句を言うだけで何もしないことが多いのに、文句を言うだけじゃなく努力するってえらいなぁ!カッコイイなぁ!と思ったのでした。
政治上、野党から与党になるためには、批判だけでなく政策立案能力が問われますが、それも同一線上の話かもしれません。(少し前の民主党は、ちゃんとそこを目指していたような気がしますが、最近は迷走しているような。自民と共倒れ路線?)




講演会の後は、和気あいあいとした飲み会に混ぜていただいて、大変楽しゅうございましたのことですよ。つい飲みすぎたw
私みたいな何者かもわからない、ただの腐女子wを温かく迎え入れていただいて、本当に感謝しております。
可愛らしい方から可愛らしい方まで(ん?)、たいへん目と心の保養にもなりました(笑)。
もちろん講演会も大変勉強になりましたし、すごく有意義な時間が過ごせました。
その節は大変お世話になりました。ありがとうございました。>関係各位


んじゃ、おまえはどうすんのよ?
飲みすぎてる場合かよw
飲み会しましょう!花見だ花見〜!

拍手だけでも送れます

*1:クィアの意味は、はてなキーワードリンクでどうぞ。クィア理論については、そもそも私自身がわかってないです(^_^;)。

*2:講演会前日の夜に買いに走って、無理くり読もうとしたけど3分の1しか読めなかった…orz ちゃんと読みます。

*3:まだ女4人で同居してるので、配偶者の家に「行く」んです。通い妻?(笑