沸騰空穂葛日記

マンガ・アニメ、映画、舞台などの感想を中心に(予定)。フェミニズム、教育・育児ネタなども?

呪怨より、不可避で偶発的な不幸という実話が恐ろしい

いくつかバージョンがあるみたいですが、たぶんコレ。
配偶者と一緒に見ました。
評判の割に、あんまり怖くなかった。
むしろギャグっぽいというか、B級な香りが漂うというか。
でも、暗くて音響のいい映画館だったら怖かったかも。
一番怖かったのは、冒頭のお婆さんのシーン。
ある福祉ボランティアの女性が家に行くと、ものすごく散らかった室内でお婆さんが倒れています。
お婆さんが寝ていた和室の布団は、
ずっと寝たままで糞尿垂れ流しになっていたため、中央がどす黒く変色していて、
布団をはがすと、それが畳にまで浸透している…
怖い、本気で怖い。
呪いだの祟りだの、実感できないもの、現実にあると私が思ってないものなんかより、ずっと怖い映像でした。
NHKにようこそ! (1) (角川コミックス・エース)*1に出てきた、虫とゴミで埋め尽くされた部屋も、友人からそういう部屋が実際にあるって聞いていたので、ものすごく怖かった。
呪怨を見る前に配偶者から聞いた話も怖かった。
配偶者の知人の友人は、数年前、
暗い夜道で人とすれ違い、その直後にやってきた別の人と軽く言葉を交わしました。
後日テレビのニュースで、その二人が殺人事件の被害者と犯人だったことを知ります。
「もし自分があの時もっと違った行動をしていたら、
 被害者は殺されなかったはずだ」
それから、その人は、自責の念から逃れられず、精神を病み、
結局、病院から出られなくなってしまったのだそうです。
あなたは悪くないよと言ったところで
「俺は犯人にも被害者にも会ってるんだよ。
 被害者をみて『なにか変だな』と思ったんだよ。
 思ってたのに何もしなかったんだよ。」
っていう現実の重みは、他人には何もしてあげられないのはもちろん、
本人にもどうにもならない、できない。それが何より恐ろしい。
現実に起こりうる、すぐそばにある、理不尽で、不可避な、恐怖。
二週間近く水も飲まずに寝転がって幻聴と話してた十数年前のウチの母も*2、相当怖かったけども。
そういう事態に遭遇したら・とか、自分がそうなってしまったら・とか、
有り得ない話ではないと思っているから怖いんだろうな。
現実と、もしくは自分と、切り離して楽しめる人もいるのかもしれないが。


そんな怖い話きかせるなっ!怖かったよ呪怨!!

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*1:2巻だった気もする

*2:幸い、数年で回復しましたが