沸騰空穂葛日記

マンガ・アニメ、映画、舞台などの感想を中心に(予定)。フェミニズム、教育・育児ネタなども?

先週の週刊少年マガジン感想

今回、牛若のキャラがブレてしまったように感じた。
あんなに好戦的なキャラクターではなかったはずだ。
この作品が好きで、同じ作者の前作(『ゲットバッカーズ』)も好きで、期待が高過ぎるせいかもしれないが、それにしても納得がいかない。
牛若は今まで、他人を思いやる優しく強い心をもった少年として描かれてきた。
自分の命を狙っている鬼若まで体を張って助け、死以外の救いがないかのような状況にも「見たいのは笑顔なんだ」と言って立ち向かうというエピソードは、牛若のそういう性格・人となりを表しているのだろう。
鬼若も、そういう牛若だからこそ、心中では敬意(もしくは興味)を抱いたのではなかったか。
それが、自分を育ててくれた寺の僧兵を傷つけた、横暴な強者と対峙して「おもしろい!」とは。
序盤で、モンスターが京で人々を襲っている状況を目の当たりにした後なのに、牛若が「鞍馬寺にいれば自分を狙うモンスターをわざわざ探しにいかなくて済むから楽」と言ったのにも驚いたが、そちらはまだ若さゆえの思慮が浅さで、今後の成長が描かれることを期待することもできるかもしれない。
しかし、鞍馬寺のシーンは、そういった好意的な解釈も難しい。
牛若が武芸を鍛え、強くなろうとするのにも、純粋な兄弟への思いや夢が背景にあった。
しかし、あの最後のコマでは、むやみに力や強さを求めるキャラクターであるかのようにみえてしまった。
まだ連載がスタートしたばかりで、キャラクターの性格づけや、行動の動機がはっきり定まっていないのかもしれないが、それでは読者も感情移入しづらい。
「読者の期待を裏切る」という言葉があるが、それは期待に応えたうえで、さらに期待を超えるという意味であるべきで、読者を失望させてはならないだろう。
一読者、一ファンとして、今後の『鬼若と牛若』が、良い意味で私の期待を裏切ってくれることを期待している。


今回、他の作品の感想を書くひまがなかった……
思わず熱く語っちゃったぜ〜(^-^;