沸騰空穂葛日記

マンガ・アニメ、映画、舞台などの感想を中心に(予定)。フェミニズム、教育・育児ネタなども?

キリスト教と同性愛

そういえば、昨日書いた「勉強しようという気持ちがあった頃」に読んだ本の中で、
カストロ・ストリートという
米国の同性愛者たちが生活している地区に取材にいったものがありました。
以下は、その中で一番、私が怒りを覚えたエピソード。

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ゲイのエイズ患者が病状が重くなり入院しているところに、牧師がやってきて、こう言います。
「あなたは同性愛という罪を犯した報いを受けているのです。
 天国へ行きたいなら、今すぐ悔い改めなさい」
最初は、気丈に牧師の言葉を跳ね除けていた患者も、
だんだんと病状が悪化し、脳にも影響が出て、死期が近づいてくる頃になると
「神様、僕が悪かったんです。許してください!
 もう絶対にあんなことはしませんから!」
と泣きながら許しを乞い、怯えながら死を迎える……

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神の名を借りて、そんな風に人を苦しめ、追い詰めることが、
 オマエなんかに許されているってのか?!

と、それを読んだ私は思ったのでした。
(私のキリスト教&米国嫌いは、この頃から始まったのかも)
まともな理性・知性のある信者・聖職者だったら、そんなことはしないだろうと、今は思いますが。


ドイツを旅行した時に、現地に日本人の友人を訪ねたのですが、
彼女の知り合いであるゲイカップルの片割れは、
厳格なキリスト教徒の両親に性指向を非難されて育ったため、
自己否定感や猜疑心が強く、パートナーの愛情も、彼女の友情も、
なかなか素直に信じて受け止めてくれない
という話も聞きました。
同性愛者であるというだけで、そこまで心に傷を負わされるって、あんまりだよな。


日本では、美輪・荒野の魔女・モロ・明宏サマが、
家族に酷く非難されたあげくに首をつって亡くなったご友人の話を、時々なさってますね。
ちなみにセクシャル・マイノリティの自殺率は、ヘテロより高いという話を聞きました。
同性愛を変態(逸脱)とは思っても、罪悪とまでは言わない日本ですら生きづらいのだから、
キリスト教圏に暮らしていたら、さぞかし辛いだろうと思います。
ましてや自分自身が信者であったなら…
そりゃぁ、自分は生きてちゃいけない人間だと思っても仕方ないよなぁ。
大人になってから自分で宗派を選んで洗礼を受けるのならば、
わざわざカトリックキリスト教の同性愛を禁じる諸派に入信することはないでしょうが、
生まれたときからの信者さんも世界には大勢いらっしゃるわけで。


……ああ、ウツウツとする話だな。次はまたオタクな話に戻ろうかな、うむ。