沸騰空穂葛日記

マンガ・アニメ、映画、舞台などの感想を中心に(予定)。フェミニズム、教育・育児ネタなども?

マナー・リンク・二次創作・同人誌

綾峰欄人の日記(1月27日)」のコメント欄で「http://gb-ova.inusaru.com/」(私が管理・運営しているサイトです。以下「OVA化企画」と略します。)を紹介していた方がいたことについて、いくつかメールをいただきましたので、コチラよりお返事を。
ご懸念いただいた点をまとめると、こんな感じでした。

  1. OVA化企画のリンク集に登録されている同人サイトを、綾峰先生や関係者に見られてしまうかもしれない!何か問題が起きたらどうしよう!
  2. 今回の件に限らず、綾峰先生の日記のコメント欄に書き込んでる人たちのネットマナーが気になる。。。あれでいいんでしょうか?

まず大前提として。綾峰欄人先生、また青樹祐夜先生も、OVA化企画の事はご存知です。既に、サイトの内容をプリントアウトしたものを、講談社気付で送っています。(サイトをご覧になったかどうかまではわかりませんが。)アニメの制作会社であるスタジオ・ディーンに対しても同様です。ですので、今回の件で特に問題が起きるとは、私は考えていません。むしろ、ああして活動を支持して宣伝に協力してくださるお気持ちは、大変ありがたいです。実際、あのコメントの後にOVA化への賛同のWeb投票やアンケート回答が少し増えました。私自身は、せっかく同じはてなダイアリーのIDを持っていても、とてもとても自サイトの宣伝など書き込めないですしね(理由は後述しますが、おこがましいっつーか、恐れ多いっつーか。ねぇ?(^^;)。だからといって現状が良いと思っているわけではありませんが、この点については後述するとして。

確かに、どんなに創作と言い張っても、二次創作は著作権的にグレーであることは、いろいろなサイトでも指摘されていることです。*1

ですが、そもそもOVA化企画は掲載されているデータを講談社・ディーン・他、版権各位に送ることを前提として作られています。そうしないと意味の無いサイトですしね(^^;なので、リンク集に登録している人は、そのリスク*2を負っている自覚があるものと、私は考えていました。

というか、そもそもネット上に自分のWebサイトを持つということは、世界に向けて情報を発信するということのはずです。そこにはカギも何もありません。カギをかける技術は存在しますが、そこまでやっているサイトは、ほとんどないでしょう*3。あるといっても、せいぜい出入り自由な門(しばしば同人サイトで見かけるindexの警告ページ)くらいのものです。そういうサイトであれば、作者の先生方を含め関係各位がご覧になる可能性は大いにあります。
「ぜひ感想をきかせてください!」という同人作家さんは多いですし、私自身も自分の書いた文章に感想をいただいて、とっても嬉しかった経験があります。だとしたら自分の作品への感想を知りたくて、関係者の方が(二次創作含む)ファンサイトを探して見てまわるかもしれないと想像するのは、そんなに難しいことではないはずです。
カギの無いゲートに「関係者お断り」と書いていても、それを聞き入れるか否かは見ている側の選択になります。閲覧者の良心・理性に頼っている訳ですね。そして、どんなに我々が尊敬する原作を生み出した方々であっても、良心や理性の働かない状態になることだって、人間として当然ありえるでしょう。また、閲覧者が必ず門から入ってくるとは限りません。検索をかけた結果が、同人サイトの中身のページに直接つながっているということも多々あります。
それでも敢えて二次創作物をサイトに掲載しているのが現状なのです。「カウンタが回っていないから」「仲間内以外にはサイトのURLを教えてないし」そんなのは思い込みに過ぎません。*4二次創作だけでなく、感想などを書いている日記・ブログの書き手さんも、その辺りを自覚してほしいなと思います。

さて、では二次創作やファンサイトの何が問題なのか。グッズに関して述べたように商業的な問題もありますが、最終的には(元になった)作品や作者様への愛と、創作への尊敬の念があるかだと、私は思っています。作品のイメージを害さないか*5、出版社・著作権者の不利益になる行為ではないか、などなど。
「作品・作者様への愛」だけでなく「創作への尊敬」をつけたしたのは、たとえば気に入ったイラストを(模写するのは良い練習ではありますが)トレスする*6行為には、作品への愛はあっても創作への尊敬が無いですよね、ということです。(ということで、二次創作な同人世界でもトレス行為は犯罪者のレッテルを貼られたりします。)


次にネットマナー(ネチケットって言わなくなりましたね、最近)については、以下にhttp://d.hatena.ne.jp/boilednepenthes/20051107を要約します。

人様のサイトに「日記のような書き込み」や「自サイトの宣伝」をすることは、ネチケットで禁止されていることが多いですが*7、)こういう、いわゆる”ネチケット”って、すごくあいまいだったり、常に変化していたりで*8、これが絶対!っていうのは無いとは思います。たまに「それはマナーとかルールっていうより、単に、あなたがお願いしたい事であって、強制するものではないよね?」と思うようなサイトなども見かけますし(^^;。
でも、根本は人対人のコミュニケーションな訳ですよね。
「自分がしゃべってるのと全然違う話題で、突然話しかけられても、返事に困るよね」
「自分の店なのに、お客さんが自分の物を売りはじめたら困っちゃうよね」

そういう想像力をネットでも働かせようよ、という呼びかけがネチケット・ネットマナーなんだと思います。
また、さらに同人サイトとなると特殊な世界だったりする訳ですが(^^;「http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Palette/8662/」さんは、割と妥当なことを書いていると思うので、ぜひ一度ご覧下さい。

さらに要約すると先生の日記のコメント欄で自分の日記を書くくらいだったら、自分のブログで書いて、奪還屋の感想を書いた時だけトラックバックしたら良いのでは……?ということですね。
まぁ、悪意の書き込みじゃなければ良いのでは?くらいに私は思ってますよ。うん、みんな綾峰先生が好きなんだよ、と。「あの憧れの漫画家の綾峰先生からお返事もらっちゃったよ!すげぇ〜!」っていう感動、わかります、うんうん。。。キョドりますって、それは。
ということで、基本的には綾峰先生の日記に、私は手出ししない方針です。ま、そんなこと言いながら、こうしてトラックバックするんですが(笑)。私って、お節介焼きらしいですよ。よく言われます。いや、面倒見が良いって言ってくれます、友人は。みんな良い人だー。
ついでに言うなら、ブログは双方向ですが、ファンレターは一方通行です。ひとり言や日記みたいなモンです。感想を伝えたいなら、手紙を書いて送るのもアリですよ。たまに私も綾峰先生・青樹先生に送りつけてます、手書きの下手な文字で(苦笑)。いや、でも手書きの熱さ・味って、ネット上の文章の比じゃない重みがあると思いますよー。そもそもネットってハードル低いですし(特にコメント欄くらいだとね)。

以上、いろいろと書きましたが、この件についてご意見のある方は、ここのコメント欄かメールまでお願いします。

*1:余談ですが、特に二次創作のグッズ類は、商業的にも差し障りが生じる可能性が高いです。「GB」であれば、既に公式グッズが存在するポーチ・小物入れ・ステッカー・レターセット・ポストカード・メス(笑)などなどを独自に作るのは、公式とバッティングする訳ですから大変よろしくない、もしそれで公式グッズの売上が落ちるようなことでもあれば訴えられることもある訳です。無料配布物や、安価な便箋やハガキくらいなら大丈夫なのかなぁと私個人は思いますが。。。どんなにグッズが安くて絵がキレイでも、しょせんはパロディ。誰だってオリジナルの方が良いに決まってますから。そしてオリジナルのパクリが駄目なのはグッズに限りません。

*2:同人文化に親しんでいない方からしたら「作者様に見ていただけるなんて光栄だ」と思うところなのかもしれませんが、ここは敢えてリスクとします

*3:特撮・芸能系など三次元のナマモノを扱うジャンルだと、カギ有りの比率が高くなりますが。それでもカギのかけ方が無意味なサイトもあるんですよねぇ。

*4:実は私も時々言ってますけどね、自分の同人サイトで「ココって身内以外に誰か見てる人いるの?」って(^^;

*5:やおいってのは興味の無い人からすれば作品を害する行為に見えるかもしれませんが、我々のような好事家にとっては大変に利する=萌えな表現なのですよ!萌える・愛するからこそ、その作品や関連グッズを買ったりする訳で。だからこそ黙認されている文化なのだと思っています。同人の世界からプロになる人もいますしね。そういった意味で漫画界全体を底で支えている文化だと思ってるんですが、どうですか?

*6:「なお、ここで言うトレス(トレース)とは「写し絵」、元の絵を下に敷いて上の紙になぞる行為です。」http://human-dust.kdn.gr.jp/doujin/kensyo.htmlより

*7:同人サイトだけのルールなのでしょうか?あまり他のところで見ないような?でも、同人サイト以外の個人サイトってあまり見てないので、なんとも。

*8:新しい技術が出来れば、そこに新しいルールができる訳ですよね。トラックバックとか、私がネットをやりはじめた頃には想像もつかない世界ですし。